なぜ、業務システムが使いづらいのか?

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社長ブログ

「エクセルやワードを駆使して業務管理してきたけど、そろそろ限界。思いきって有名な業務システムを導入してみたけど、なんか使いにくい」

「業務システムをいろいろ使ってきたけど、いまだにシックリこない」

それ、気のせいじゃないです。

こんなにIT化が進んで、こんなに業務システムも多種多様にあるのに、どれもこれもシックリこない理由。それは、会社の規模の問題かもしれません。お客様が知らない、開発ベンダーもあまり意識していない、会社の規模でことなる業務システムの要点。ちょっと小難しい話ですが、知っておくと、あなたの会社の業務システム選定のお役にたつと思います。

大企業のために発展する、IT技術

IT技術の夢。それは、生身の人間では扱いきれない大量な情報を、高速に処理することです。それがカッコイイ。そこを目指して発展してきました。

例えば、少ない量の情報しか扱えないIT技術は軽視されます。それはカッコよくないし、それでは大企業には使ってもらえないので売上的にも厳しくなるから、ビジネスとしての必然ともいえます。

結果、いろいろなIT技術は、大企業で必要とされる大容量の情報を扱えることが前提となっていきます。そうして大企業のために発展してきたIT技術のお下がりが、中小企業に廉価で提供されているともいえます。

それのどこが悪いのか?
安く提供してもえるんだから、いいじゃないか?

ことは、そんなに簡単ではありません。

大は小を兼ねない!

大企業には、沢山の従業員がいるので、例えば、契約を決める営業スタッフ、請求を管理する経理スタッフ、クレームに対応するサポートスタッフなど、分業が進んでいます。ですので、大企業のためのシステムは、それぞれの役割に応じて、営業スタッフのための画面、経理スタッフのための画面、サポートスタッフのための画面というように別々に画面が開発されます。

一方、中小企業は、少数の従業員しかいないので、みんながいろいろな業務を掛け持ちしています。契約を決めた営業が、クレーム対応もしているなんてザラですよね。ですので、中小企業のためのシステムは、ひとつの画面であらゆる顧客対応に必要な情報が一覧でみえる『小回りの効くシステム』であることが大切になります。

このように、大企業と中小企業では、業務システムに求められる質がことなるのです。

車でいえば、大企業用の業務システムは長距離輸送にむいた大型トラック、中小企業用の業務システムは街乗りに適した軽自動車といえます。こう例えれば「中小企業は大企業のIT技術のお下がりでよい」という考え方が乱暴であると分かってもらえると思います。

街乗りのための車を探して、中古の大型トラックを買う人はいません。車の大きさは目に見えますからね、そんな間違いをする人はいません。でも、業務システムの大きさは目に見えませんので、そんなバカなと思うようなミスマッチが起こりうるのです。

小回りの効く業務システムを選びましょう

日本の業務システムは、いろいろな既製パーツを組み合わせて作られる傾向が強い。その既製パーツも、また、大企業で使ってもらえるようにカッコイイ技術が使われています。その組み合わせとしての業務システムもまた、大企業向けのテイストになり、大回りなシステムになりがちです。

逆に、中小企業に最適化された既製パーツは、ほとんど存在しません。ですので、中小企業のための小回りの効くシステムを作るためには、基本的なパーツから自作しなければなりません。これは、飲食店が理想の味をもとめて農業に手を出すようなもので、全ての開発ベンダーができるわけではありませんし、また利益率を考えたときに、ビジネスとしては成立しづらい。

そして、ほとんどの開発ベンダーは、自分が作った業務システムが、大企業テイストの大回りなシステムになっていると気づいてもいません。そうではなく「我々は大企業でも使えるシステムを作っているからカッコイイ」と誇らしくさえ思っているハズです。

日本の会社の 99% は中小企業ですが、業務システムのベースは大企業用に染まっているとさえ言えます。

その現実をふまえ、あなたが業務システム選びで成功するためには、ご自身の会社の規模にあった選択を意識することが大切です。もし、あなたの会社が中小企業だとしたら、不要な多機能にあふれた大回りなシステムではなく、必要最小限の機能でも小回りが効く、身の丈に合った業務システムを選んだほうが幸せになれる可能性が高いといえます。